25日土曜日、大阪・心斎橋筋商店街がパニックになった。「NMB48 心斎橋エリアキャンペーン 心斎橋に、恋ッ!!」の一環で、同商店街の「一日理事長&店長」を務めたNMB48のメンバー、山本彩、渡辺美優紀ら4名が、「L.D.S心斎橋」「メガネの三城心斎橋本店」「大丸心斎橋店」などの店舗を訪問するというイベントでのこと。大丸前に約1,000人もの人だかりができ、騒然とした状態になったという。本来は商店街を練り歩く予定だったが、急遽中止となり、さらなる混乱を避けるため、店舗間の移動も裏口を使ったという。しかもこの日、主催者側が動員した100人の警備員がいたにもかかわらず、柵や防護用のロープの外から次々にファンの手が伸び、メンバーらはカラダのあちこちを触られたというのだ。警備員のひとりは、「本当に危険な状態だった」とサンケイスポーツの取材に答えている。
「現役アイドルたちが衆人観衆の前でカラダを触られる」というのは、イベントの性質上ある種の"集団心理"が働いた可能性が高く、犯罪性が強いわけではないとも考えられるが、多くの健全なファンにとっても運営側にとっても、異常事態であったことは間違いないだろう。
総合プロデューサーの秋元康はかつてNHKのドキュメンタリー番組『追跡! A to Z』において、「AKB48のフォーマットを海外に販売していきたい、"パリ48"、"ニューヨーク48"など世界各地にチームを作り、最終的にはその中から選抜した"世界48"を作る」という、世界進出への夢を語っている。実現の可能性はかなり疑問であるが、日本においては今年に入り、SKE48、NMB48に続く全国展開第4弾として福岡市を拠点とする"HKT48"の誕生が発表されており、今後も各都市を拠点としたチームが増えていくはずだ。
そしてこのような各都市のチームは、AKB48の人気の過熱ぶりに比例するかのように、それぞれ注目を集め始めている。今回の"おさわりパニック"に巻き込まれたメンバーの山本は、先日行われたAKB48選抜総選挙において28位を獲得。またSKE48の松井玲奈は10位にランクインしメディア選抜入りを果たすなど、姉妹グループメンバーの健闘も目立つ。今回の騒動は、ファンとのコミュニケーションに重点を置いていたアイドルが、"国民的アイドル"という地位にまで上り詰め、それに付随する各地域のチームにも注目が集まっている時期であったがために、起こってしまった事件だとも言える。各都市を拠点としたチームの増加、その人気の高まりを考えれば、今後は同様のトラブルがいつ発生してもおかしくない。
今回はメンバーに怪我がなかったことが幸いだが、いつなんどき、大きな事故や事件に発展してしまわないとも限らない。仮にもしそうなった場合、"会いにいけるアイドル"とファンとの距離は、今まで通りというわけにはいかなくなり、グループ自体の勢いすら失うことにもなるだろう。それはアイドル側、ファン側、双方にとって喜ばしいことではない。現在のような関係性を双方が維持してゆくために、管理体制、そしてファンのモラル、今一度この両方を見直した方がよいのではないだろうか。 Read More
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